メールでお問い合わせがありましたのでついでに掲載します。
『某コーヒーショップで豆を購入していますが、ドリップで入れる時に豆が膨らまないのはなぜでしょうか?』
と言うお問い合わせでした。
豆が膨らまない原因はいくつかありますので参考にしてください。
いつ焙煎したものなのか
ふくらみが一番良いのは、焙煎した当日のものです。
しかし店頭で購入する場合、焙煎したのがいつであるのかを明記している店は殆ど有りません。
良心的なショップなら、聞けば焙煎した日を教えてくれるかもしれませんので聞いてみるしかないでしょう。
また、真空パックになっているものは少なくとも焙煎してから3日以上は経っていると見て間違いありません。
と言うのも、焙煎直後のコーヒー豆は炭酸ガスを放出しますので、焙煎直後に真空パックしてもガスが出るので袋が膨らんでしまうからです。
ガスの放出が落ち着くのは凡そ3日後です。逆に焙煎直後よりも3日ほど経った豆の方が味が落ち着きます。
2016/06/13追記
ここ数日で同じ内容のメールが数件ございましたので追記させていただきます。
「★バックスで購入した豆が動画の様に膨らみません」
と言う内容でした。
お三方の購入された豆は、グアテマラのミディアムロースト、スマトラのダークロースト、そしてKATIKATI(?)と言う豆で焙煎度は分からずと言う物です。
ワシは★バックスには打ち合わせ前の時間潰し時しか行かないので、それらの豆を飲んだ事が有りませんが、購入しなくてもあそこの豆は膨らまないのは分かる気がします。
あそこのブラックコーヒーは美味しくありませんもの・・・
(★バックス好きな方ごめんなさいm(__)m)
まぁ仕方が有りません。
あそこの豆はアメリカでローストした物を持ってきてますので、焙煎してから何日経過したものかわかりませんし、そもそもあの店のコーヒーはブラック(ストレート)で飲む飲み物ではありません。
フレーバーが入ってナンボの飲み物かと思います。
因みに★バックスのサイトに行ってどんな豆なのか見てきましたが、コーヒーの説明の所に
【相性のよいフレーバー】
なんてのが書いて有りました・・・(苦笑)
ハワイのお土産コナコーヒーにも書きましたが、ゲロマズイコーヒーを平気で売ってたりしますから。。。
アメリカで焙煎したコーヒーのストレートは日本人の口に合わないのかもしれませんね。
だからフレーバーを入れて楽しむ飲み物なのかと。
って、★バックスバッシングになってしまいましたが、あそこのコーヒーはフレーバーが入れば美味しいと思います。ホント素直にそう思います。
逆に言えばフレーバーを入れなきゃ飲めたものではないと・・・
あっ、これはワシの主観ですからねf^^;
なので、ストレートで飲みたい方で、尚且つ美味しいコーヒーが飲みたい方は、自家焙煎しているコーヒーショップで購入することをお勧めします。
良心的な所でしたら、いつ焙煎したのか聞けば教えてくれますし、中にはちゃんと好みも聞いてくれてテイスティングをさせてくれるところも有りますので、そう言ったお店を見つけると良いのではないでしょうか。
まぁ、毎度書いていますがコーヒーは嗜好品ですので、スタバの味がお好きでしたら、入れる時に膨らまなくても問題ないと思われます。
お湯をさした時に膨らむというのは、あくまでも鮮度の目安ですので、膨らみが少なくても美味しいコーヒーも中にはありますから。
多分・・・
挽いた豆と挽いていない豆
又、購入する際に挽いた豆を購入しているのか、豆のまま購入しているのかでも違いは出ます。
当然豆のまま購入して、入れる直前に挽いた物の方が膨らみはよくなります。
理由は豆の酸化と炭酸ガスの含有量に有ります。
挽いた豆はいくら保存をしっかりしているつもりでも空気に触れる面積が大きくなりますので、挽いていない豆よりも当然酸化がすすみ、アロマと膨らみの元である炭酸ガスも抜けるのが早くなります。
酸化=劣化です。
コーヒー豆は言わば生ものと同じです。
切った野菜よりも切っていない野菜が長持ちするのと理由は一緒です。
挽いてある豆がおいしく飲めるのはその当日、しかも挽いてから数時間だけです。
切った野菜だって、サラダで食べておいしいのは切りたてですよね?
おいしいコーヒーを飲みたいなら、豆のまま購入すべきです。
焙煎度の違い
豆の膨らみ方は焙煎度によっても違いが出ます。
一番良く膨らむのはハイローストからフルシティロースト
ミディアムローストより焼きが少ない豆や、焼きが強すぎるフレンチロースト等は膨らみが悪かったりします。
味の好みもありますが、ドリップで膨らみも良くおいしいのは、ミディアムローストからハイローストだと思います。
また、ご自分で焙煎されている場合、生焼け状態になっているものは膨らみが悪くなり味も悪くなります。
手網で焙煎されている場合は、最初の2分程度は少し火から離した状態で豆の水分を抜くように焙煎しましょう。
お湯の温度の違い
温度の高いお湯で入れれば膨らみは良くなり、温度の低い場合は膨らみは悪くなります。
しかし、ドリップで入れる場合に適した温度は85~90度程度です(焙煎度により変わります)
焼きの浅い豆は高めの温度、焼きの濃いものは低い温度にします。
豆の挽き方
ドリップの場合、中挽きが最も良く膨らむと思います。
鮮度の良い豆なら荒挽きでも膨らみは良いですが、荒引きは焼きの濃い豆で淹れる場合が良いでしょう。
ミディアム~ハイローストなら中挽きでOKです。
まとめ
以上長々と書きましたが、膨らみの良い豆の条件をまとめると、
- 焙煎後3日目までの豆(若しくは出来るだけ焙煎してから時間が経っていないもの)
- 豆のまま購入し、淹れる直前に挽くこと
- 焙煎度を確認すること(好みですが…)
- 豆の挽き方
- お湯の温度に注意する
この5つ、特に豆の膨らみに関しては1~2が最も重要になります。
次いで4かな。細挽きよりも粗挽きの方が膨らみは良いです。
美味しく入れると言う意味では、1と2は当たり前として、最も重要なのは5のお湯の温度。
緑茶でも抹茶でも紅茶にしても、美味しく入れられる温度と言う物が有りますので。
玉露などの適正温度60度の物を、紅茶みたいに沸騰したお湯で淹れては美味しさは全く引き出せません。
良いお茶やコーヒーをいい加減な温度で淹れてもそれなりにはおいしいでしょう。
しかし適正温度で淹れたそれと比べると、淹れ方に失敗していると言う事になります。
コーヒーも日本茶にも種類や焙煎度合いによって美味しい温度と言う物が有るのです。
珈琲の場合は85度から94度の間で自分が美味しいと思う温度でお試しください。
話を元に戻し珈琲豆のふくらみですが、適正に焙煎された美味しいコーヒー豆なら2週間経った豆でもふくらみは悪くなりますが美味しいということを付け加えておきます。
豆のふくらみは鮮度の目安ですので。
逆に言えば、膨らみだけは良いけどあまりおいしくないってのも有りますから。
この辺りは好みだと思いますけどね。